2020年12月29日火曜日

2020年度 松陰記念館班活動報告

 今年の「ふれあいの日」の活動報告内容は「松陰記念館歴史フォト街道」とします。萩往還の「涙松跡」から「落合の石橋」間をスタッフが歩き、実際の痕跡等を探求した写真を発表いたします。


萩往還「涙松跡」

「かえらじと思い定めし旅なればひとしおぬるる涙松かな」と松陰先生は一首の歌を詠み、江戸に旅立ち帰らぬ人となりました。ここは萩の町を臨むことができる涙松です。色々な人達も最後の別れをして涙を流し、また萩に帰った人は喜びの涙を流したところです。

みなさん!このような事がありましたら、ここ「涙松跡」で涙してください。




「萩往還」道の駅中央の施設が松陰記念館です

玄関前で見事に色づいたイチョウも玄関の整備の為に今期中で撤去となります。特にイチョウが真黄色になった時は、素晴らしい景観を醸し出し最高潮です。毎年沢山の皆様が写真撮影や葉を拾って帰られます。大変残念ですが今年が見納めとなります、長い間有難う。それでは館内から紹介をしてまいりましょう。





松陰記念館は全国の道の駅にはない歴史のミュージアム館です。なにげなく立ち寄られていますが、館内の塾舎再現光景や豊富な資料には驚きを隠せないようで、幕末の歴史館として再認識されています。メンバー4人が「おもてなし」を基本に松陰先生に関する資料の案内はもちろんの事、萩市内最初の玄関口として観光案内やイベント情報を紹介しています。また、昨年より萩博物館ならびに吉田松陰のオリジナル商品を販売しています。





館内には実物大の「松下村塾」で松陰先生と門下生の講義が聞けるようになっています。先生と門下生の問答はお客様はもちろん、私達も何度聞いても心に残る素晴らしいものです。このような記念館に今年も大輪の菊3本仕立てを12鉢設置いたしました。何か独特な雰囲気を醸し出しています。まち博・花と緑の推進班の皆様、記念館を応援して頂き誠にありがとうございます。





館内のもう一つの目玉は、壮大なパノラマです。萩の中心地、川内とその周辺を立体的に作った観光と歴史の案内です。タッチパネルで何方でも分かる様になっています。また、今脚光を浴びているのが記念館のショップです。萩博物館と松陰先生のオリジナル商品を揃えています。博物館発行の書籍や萩ものがたりシリーズ、山口県教育会の松陰読本等、多彩に展示販売をしています。このような館内は連日に大勢のお客様で賑わっています。今年の新型コロナウイルス感染拡大防止対策には徹底した万全の応対をしております。




松陰記念館班4人のガイドのメンバーです

班のキャリア塾長よりきめ細かな指導の下、今では一人前としてお客様のご案内をしています。来萩の皆様に「おもてなし」で明るく、楽しい記念館班であるように心がけております。





今年は4月~5月の45日間、松陰記念館は開設以来長期の臨時休館となりました。現在も強烈に進行中の新型コロナウイルス感染予防対策の一環であり、この間に我々が出来る範囲での大掃除を行いました。平成4年開設以来、今回初であろう塾舎の屋根瓦の水拭き、障子の張替えをしました。他には畳の乾拭き、マネキンのホコリ落とし等を行い、古くて品のある塾舎になりました。また資料台、玄関前庭、ツタの剪定やショップ台の柿渋塗りと日時の計画を立て、ここぞとばかり念入りに行いました。




「悴坂御駕籠建場跡」

松陰記念館からしばらくすると悴坂参道の入口があります。ここから傾斜30度の急な坂道を上ることになりました。体力を消耗しながら着いたところが御駕籠建場でした。悴の字の如くほんとうに「かじかむ、やつれる、やせおとろえる」など、駕籠をかつぐ人も大変厳しい坂でした。ここは殿様一行が小休止する為に設けられた場所です。殿様の駕籠を置く台で切芝の台が2箇所ありました。また、目についたのが高齢者には昔懐かしい雪隠(トイレ)があります。御駕籠建場のある真下には明治18年に完成した鹿背隧道(国登録文化財)が貫いています。




明木市の「街道分れ目の碑」分岐です

左が萩往還・三田尻まで、右方面が赤間関街道で「太田・絵堂の戦い」で有名な絵堂から下関に行きます。幕末から明治維新へ歴史の立役者が駆け抜けた激動の道です。今回の写真は実際の場所ですが、御影石で作られた道標は、100m坂を下ったJA明木の建物の角に移設してありました。




ここから「一升谷の石畳道」です

玄武岩の石橋よりなだらかな上りが約1里(4km)あまり延々と続く為、相当疲れてきます。「一升の煎豆を食べながら歩くと、坂を上りきるまでに丁度食べつくしてしまう」ということから命名されました。では、みなさん!勢いよく上りましょう。






整然と積まれた石畳を数百メートルほど歩きました。上り始め早々1人がリタイアしましたが、お1人で歩く姿は人生の歴史感があふれており哀愁が漂う光景であります。この一升谷の石畳は、萩往還の面影を最も良く留めているように聞いています。何故石畳にしたか、古道には風雨や流水による損壊を防ぐ為でもあります。皆さんの体力を考慮して、今日の石畳の散策は終了して次に向かいます。




「落合の石橋」

田畑のあぜを縫うように続く古道の中に、国登録文化財の「落合の石橋」がありました。どんな橋かと思いきや、きゃしゃでスマートな石橋でした。注目したのが、両岸から突き出している石柱に石板を乗せ支えている形態は、資料によると山口県特有のものと聞いています。



※最後に、今回の萩往還道の散策に当たり「萩往還ウォーキングマップ」「萩往還を歩く」を参考に、また我らがスタッフの川久保さんに指導を受けながら歩きました。機会があれば次のコースに挑戦したいと思います。