2015年12月15日火曜日

まち博おたから情報班 津和野へ

阿東から津和野にかけて古民家を訪ねる研修をしました。(10月13日)むつみを抜け、国道315号線に出て9号線との交差点までの道々、葇葺屋根の農家がところどころ見られました。徳佐の駅前通りを通り抜け、9号線の大鳥居から下って津和野の街中に入りました。中心地まで町並みを見学しながら歩いて行きました。大庄屋の建物を利用した杜塾美術館の前を通りました。登録有形文化財にも指定されており、さすがに風格のある屋敷でした。次回はぜひ入館したいと思いました。




殿町通りや本町通りは伝統的建造物群保存地区にあり、また日本遺産にも指定されており、大壁作り、連子格子、厨子二階、虫籠窓等の特徴をもつ間口の広い商家が点在していました。今まで津和野を何度も訪れていますがこんなに多くの古民家が点在しているとは思いませんでした。森鴎外が子供の頃に利用していた薬屋が今でも営業していました。店の中を覗くと年代物の立派な薬箪笥が置かれ、建物からしても格式ある薬屋だということがわかりました。狭い範囲に登録有形文化財に商家8軒と教会があり、往時の繁栄ぶりを再確認しました。


<本町通りにある大きい商家 いずれも登録有形文化財>


<昭和6年建築の津和野カトリック教会>
※ゴシック建築、内部は畳敷き

<鴎外も利用していたという薬屋>

<本町通りの町並み>

造り酒屋に立ち寄り話を聞くと、昔は造り酒屋が小さな町にしては多く、稲荷神社の御神酒をつくり商売繁盛していたが、今は数軒しか残っていないとのことでした。稲荷信仰が今よりずっと盛んだったことがうかがえます。その酒屋も江戸の中期から営業しているとのことで、現在まで家業を守り続けるということは並大抵のことではないと思われました。店の造りにも歴史の重みを感じました。津和野のお酒を試飲させてもらい(運転者は勿論除く)、それぞれ好みのお酒をお土産に店を後にしました。



駅まで町並みを見学しながら併せて食事処も探して歩きましたが、駅周辺には古民家は見あたらず、食事処も連休後で休んでいるところが多く残念な思いをしました。安野美術館の前の道を通って引き返し、観光客がよく利用しているお店で食事をしました。

その後、街中から離れたところにある堀庭園を訪ねると、日頃は月曜日が休館なのに連休後で火曜日にもかかわらず休館日の札がかかっていました。あらかじめ確認するべきであったと反省しました。連休後に出かける時は要注意です。江戸時代は幕府の直轄領である石見銀山のもとにおかれ、銅山を管理していた堀家の屋敷も見応えがありました。堀越しに庭園のもみじを見ると紅葉にはまだ早いと思われました。いつか紅葉の頃に訪ねたいと思いました。外観をカメラに収め、つわぶき街道を通って国道315号に出て帰途につきました。津和野は往時の繁栄を偲ぶ建物が多く残っており、それを守っている人達に敬意を表したいと思いました。津和野を再評価する良い一日でした。


<奥津和野の堀庭園>


<殿町通りのイチョウ並木>