雲ひとつないさわやかな秋晴れの午後、先日お知らせいたしました古写真班恒例のスライド上映会を行いました。
今回のテーマは昨年に引き続き「古写真に観る金谷天満宮の祭典」、昨年ご好評をいただき再びの催しとなりました。
会場はいつもの萩博物館講座室を飛び出し、金谷天満宮向かいにある五月に新築されたばかりの「JAあぶらんど萩・南萩支所」です。
スライド上映会を始めて以来、少人数で細々と行うことが多かったせいかあまりに広過ぎる会場は身の丈にあっていないというのか内心今ひとつ落ち着かないような気もしましたが、古写真班班長で金谷神社の総代でもあるY・Sの進行で始まりました。
上映会ではお馴染みのいつもの顔ぶれに加え、金谷天満宮宮司である陽氏をはじめ、天満宮に関わる皆さまや班員含め30人を超える参加がありました。
それぞれにご多用中の折、ご参加くださった皆さまにはありがとうございました。
鸞輿巡幸図、八江萩名所図画を皮切りに「子供神輿」「踊り車」「御神幣」「聖講」「大名行列」「備組」等々、次から次へと盛りだくさんの内容です。
中でも「大屋の伊達小荷駄」は実際に道中歌が流れ、「唐樋御神幣」のくだりの「千里飛梅」の話題では太宰府まで梅の花の確認に出向いた話も飛び出し楽しい一幕でした。
「萩の古い文化をこんな形で知らせることが、新しい萩を見つけるとともに、市民の意識を変えることになる」
これは天満宮宮司陽氏の言葉です。
このように思って下さる人がもっと増えて欲しいと願うと同時に、私たちの小さな活動でもその一助になりうるのだと改めて意を強くしました。
当日は古写真班担当学芸員でもあるS副館長にもお運びいただきました。
上映会の間中、終始楽しそうな満足げな表情を浮かべていらしたことが私にとってはこの日一番の収穫でした。
その様子がすべてを物語っているように感じられとても温かな気持ちになりました。
かつての天神祭りは臨時列車・臨時バスが出て通りは大混雑、歩くことも難儀をするほどにぎわう様子を見て、常日頃班長Y・Sが「祭り」が「まつり」に追いやられていると憂う姿が頭をよぎりました。
帰りがけにS副館長が「祭りを囃す」旨の話をされ「祭りを囃したて互いが交流し賑わいを生む」との言葉を思い出し、実際に携わる人のみならず多くの見物客もあってこその祭りなのだと、少しでもかつてのにぎわいが戻って来るようにと願わずにいられません。
この日の上映会でもご覧いただきましたが、下記の写真は金谷天満宮前から萩駅方面を撮影したものです。
(右は2015年9月に同地点から撮影の新旧対比)
阿武川ダムができる前は阿武川からあふれ出た水でこのように大洪水となっていました。
「牛や豚などの家畜を神社に避難させ、さながら動物園の様相だった」とは陽氏の弁。
ダムの完成によって私たちは多くの恩恵を受けたと言えるでしょう。
その阿武川ダム完成から今年で40年の節目を迎え、「阿武川ダム完成40周年記念事業」が実施されます。
当古写真班でも市民館ロビーに於いて記念写真展を開催いたします。
ダム建設の様子、水没前の美しい村の姿、懐かしい顔ぶれ、見ているだけで郷愁を誘う、そんな写真の数々400枚前後を展示する予定です。
今回新たに「水都・萩の今昔」と題して上記の写真を含む水害関連のもの、そして城腰山から松本川を望むパノラマ写真を作成しました。
10月30日午後7時からは記念講演もございます。
ぜひ足をお運びください。