2014年12月21日日曜日

『古写真班、おしゃべりサロンスペシャルへ!』~12.19 地域交流の継続


周防大島出身の民俗学者・宮本常一のご縁で秋穂在住のHさんと交流を持つようになって早や4年の歳月が流れました。

「萩まちじゅう博物館 学芸サポート・古写真班」に興味を抱かれ、我々の班活動に参加するべく足繁く秋穂から萩まで通って来られた非常に高い志とバイタリティの持ち主です。
そのきっかけはこちらのブログでどうぞ→http://machihaku.exblog.jp/12102537/ (2010.10)

今回は私たち「古写真班」がHさんの活動拠点である秋穂図書館をお訪ねしました。
“図書館と友だちの会・秋穂”主催のある行事を見学することが目的です。

前日までの大寒波の後ゆえ道路の凍結を気にしつつの出発でしたが、この日は幸い晴れ間が戻り途中昼食をはさんで予定どおり秋穂図書館に到着、木がふんだんに使われており温かな雰囲気です。



さあ、その「ある行事」とはいったい??


おしゃべりサロンスペシャル「古写真で秋穂再発見!パート4」


「おしゃべりサロン」と聞いただけでも何だか楽しそうな光景が目に浮かびますが、そこに「スペシャル」のひと言が加わるだけでますます期待感倍増です。
その「スペシャル」とは何か??
“図書館と友だちの会・秋穂”公式Facebookにその答えが載っています。



毎月第3金曜日に開催中の「おしゃべりサロン(思いで語りの会)」にスペシャルゲストを迎え、1枚の古写真から見える昔を読み解く。
講師は民俗学が専門の学芸員。1枚の写真から見えてくるちょっと昔の暮らしの見つけ方を話していただきます。

当日は、萩博物館の学芸サポーター古写真班のメンバー7名も参加されます。楽しみです。

図書館と友だちの会・秋穂 (公式Facebookより一部抜粋)




そうです、この日は「スペシャルゲスト」として当班担当学芸員のS副館長がおしゃべりサロンの講師役として招かれたのです。

古い写真をご覧いただきながらの「スライド上映会」を定期的に開催している私たちにはとても興味深い催し、主催者側としてではなく、一参加者としてよその同じようなそれを体感できることはとても貴重な機会です。
過去には今回と同じシチュエーションで「おしゃべりサロン」が行われており、今回は四度目の開催とのこと。
実は三年前のブログでもこのことに触れています。
当時のブログはこちらからhttp://machihaku.exblog.jp/14991616/ (2011.11)



今回船の櫓の話題が出ました。
「日本海側の櫓は楽器の琵琶のように平たい形をしており右舷側で操作する」対して「瀬戸内は左舷で操作するのが普通」とのことですが、何と秋穂の大海地区だけは右舷で操作するのだそうです。
上記の3年前のブログ記事でもそのことに触れています。
併せてご覧ください。

とても興味深く感じたのが天神さまのお祭りです。
萩の天神祭りは「みぞれが降りこたつを出す」こちらは「お祭りまでに麦の根付をする」のだそうです。
どちらもお祭りの時期をひとつの目安として生活してきたのだと知り、他にもその土地その土地で同じようなことがあるのだろうといろんな地域のそれを聞いてみたいような想いも抱きました。

秋穂の「おしゃべりサロン」はとても和やかな雰囲気で、S副館長の豊富な知識の裏付けの元、参加のお客さまもそれはそれはたいそう積極的に、且つ、とても自然に話に入っていかれる姿が印象的でした。
いつかの当ブログに記した記憶がありますが、開催地区の地域性というのか、そういうものも如実に表れるものだと感じています。
また向かい合わせにした机の配置もお互い話しやすい要因だったのでしょうか。
S副館長とお客さまの話が途切れることなく発展し、一枚の写真に費やす時間が非常に長くなるという、これはこれでとてもありがたい楽しいことでした。

写真はあくまでも単体であるがそれに情報を付加することで立派な資料になること、「いつ」「どこで」「何が」撮られているのかが重要であるとのアドバイスもいただきました。
「写したものだけでなく写ってしまったものに価値がある」との言葉も過去に聞いたことがあります。
そう思うとどんな写真でも無駄なものは一枚もないのだと、あだやおろそかにはできないと、背筋が伸びる思いです。

今回の「おしゃべりサロン」はとても新鮮で同時に新たな刺激もいただき、今後も細く長く交流を深めつつ互いに前進していけたらと、そんなことを思いつつの帰途でした。
「図書館と友だちの会・秋穂」の皆さま、ありがとうございました。
機会がありましたらいつかぜひこちらにもお運びくださいませ。
班員一同、心よりお待ち申し上げております。

萩まちじゅう博物館 学芸サポート・古写真班<Y・T>