2016年12月13日火曜日

おたから情報班 研修報告

萩の町には今も藩政時代からの伝統的な建造物や町割りなどが数多く残っています。「まち博おたから情報班」では、これら古い伝統的建造物の価値が見直され永く保存されることを願って、平成21年度より町筋ごとに情報収集に取り組んできました。
旧市内では、大壁造り・虫篭窓・海鼠壁・蔀戸・連子格子等々明治・江戸時代の特徴を残す建物をデジカメで撮影し、マップ上にプロットしてWEBサイトに集約し公開しております。
これまでの研修は、県内(市町村)の町並みの中にどのように古い建物が残っているかを研修してきました。わが班の調査も対象が郊外に広がり、屋敷型などから 農山漁村地域となり茅葺屋根などが多くなり、これらも従来の茅葺の上にトタンで覆った建物が多く、今年度の研修は、日本の原風景といわれる茅葺屋根の建物が多くある徳地地区に出かけ、茅葺屋根を見学することにしました。
1025() 2台に分乗し、830分博物館を出発した。国指定重要文化財の「月輪寺」と「重源の郷」の茅葺(屋根)建物群及び徳地の町並みを見学しました。生憎午後雨に降られましたが、研修目的を十分達成できました。
班員それぞれのコメント(研修で感じたこと)を紹介し、「まち博おたから情報班」の研修報告とします。



・重要文化財の月輪寺を訪ねた時、寺にしては珍しい茅葺屋根を見て萩に沢山お寺があるけれど一つくらい茅葺屋根のお寺が欲しいなと思った。お寺の傍に大きな実をつけた愛宕柿を見つけて、真っ赤な熟し柿を思わずもいで口に入れたら傍の民家からお爺さんがニコニコしながら出てこられた。「どうぞどうぞ」と言われたのに遠慮したけれど、いまだにあの時二つ三つ頂いて帰れば良かったと思い出す。


・月輪寺(がつりんじ)薬師堂と重源(ちょうげん)の郷は、いずれも茅葺屋根を特徴とした建物で、特に重源の郷は山村風景を再現し立派なものでした。しかし、いずれの建物も一部破損した個所もあり、今後の保存・管理をどうされるか心配です。いつまでもこの建物を残していきたいものです。


・国道376号沿いに茅葺きトタン屋根の家がところどころ見られた。きちんと手入れをされ、住んでおられる様子を見ると、先祖から受け継いだ家を大切に使っている住人の心意気を感じて嬉しくなった。国の重要文化財である「月輪寺 薬師堂」も茅葺屋根の風格あるお堂である。木材もいいものを使用しており、長い年月に耐えて、なお凛としている。屋根に背の高い草が生えていて、傷んでいる。これを葺き替えるには、大変な費用がかかるだろうが後世に伝えたい建造物である。
門前で87歳のおじいさん宅の大きい柿を木からもいでいただく。ちょっと渋いところもあったが、甘くて新鮮であった。おじいさんの娘婿の方が萩の相島出身と聞き、話がはずんだ。萩にかかわりのある方とも偶然出会いまた嬉しくなった。


・茅葺き屋根について
近くで見ると、茅葺の層がことのほか厚く、葺き替え時の材料()の調達が大変だろうな。茅を調達している業者がこの近辺にあるのかな? 職人は居るのかな?といらぬ心配をした。
葺き替えは、全面か?部分補修か?下層部を残し上層部だけの葺き替えか?考えれば考えるほど結論が導き出せない。茅葺屋根の葺き替え工事を一度 見学したい。


・食事について
重源の郷のお食事処で旬メニューの新そば定食を食した。美味しいが、一寸歩き廻った後であり、量がいささか少なく五平餅1本をペロリと食した。これも何とも言えない美味しさであった。


・今回の研修は、茅葺屋根がたくさん残るのどかな風景を見ながら歩き回ったが、疲れも感じず、心癒された有意義な1日でした。


・ボンネットバス
重源の郷では、昔懐かしいボンネットバスが我々を歓迎してくれているように入口に待機していた。歓迎館からボンネットバスに乗り換え重源の郷中心部へ移動。バスの運転手さんが女性であり丁寧に案内、時にはバスを止めて樹木の説明をしていただいた。モミジもたくさんあるが紅葉にはチョット早かった。又の機会に見に行こう!


・運転中のチョットした出来事
地図で下調べせず、道先案内人のカーナビを頼りにドライブしましたが、月輪寺から重源の郷への移動の際、電話番号で目的地を設定し移動しましたが、道路がだんだん狭くなり不安となり車を止め地元の人に尋ねたところ、別ルートだと教えられた。同乗の人が「スマホ」を携帯していたので夫々目的地を設定し、各々のナビを確認しながらの運転に切り替えた。カーナビの目的地設定で電話番号だと沢山の施設が表示されるので、住所が判明している場合は住所入力が賢明かと思います。